クレッシェンド、デクレッシェンドとは?演奏が変わる強弱記号の使い方

クレッシェンドの重要性と基本的な知識を紹介

クレッシェンドとは、音楽記号のひとつで「徐々に音量を大きくする」ことを指します。主にダイナミクス(強弱)表現に使われ、音楽に感情や流れを加えるための重要な技法です。この用語は、イタリア語に由来し、音楽の表現力を高めるために欠かせない技法です。楽譜上では、記号や文字で表示され、その解釈により演奏者の表現が変わってきます。

記号「<」と文字「cresc.」の具体的な違い

楽譜には、クレッシェンドを示す「<」という記号と「cresc.」という文字がありますが、異なる役割を果たします。「<」は音量が次第に強くなることを視覚的に示す記号で、演奏者に即座に理解させやすい特徴があります。一方で、「cresc.」は、クレッシェンドの言葉で、演奏者に対してより詳細な指示を与えるものです。つまり、記号は直感的で視認性が高い一方、文字は指示の具体性や文脈を与える役割があるのです。実際の演奏では、記号の「<」を見て速やかに音量が増すことを理解しつつ、同時に「cresc.」の記載を確認し、その文脈に合った表現を行うことが重要です。

クレッシェンドの表記と演奏スタイルの関係性

クレッシェンドの表記方法は、演奏スタイルに大きく影響を与えます。楽譜に「<」や「cresc.」が記されていると、演奏者はその変化に従って音量を調整します。しかし、クレッシェンドはただ音を強くする方法だけではなく、情緒的な表現を含むため、演奏者の感じ方によっても変化します。また、クレッシェンドは音の流れを滑らかにすることが求められるため、演奏者はそれに対応したテクニックを身に付ける必要があります。

デクレッシェンドとディミヌエンドの違いについて

クレッシェンドに関連する言葉として、デクレッシェンドやディミヌエンドがありますが、これらは明確に異なります。デクレッシェンドは音量を徐々に小さくすることを指し、クレッシェンドとは正反対の動作です。一方、ディミヌエンドは響きが小さくなることを表し、これは音量の変化だけでなく、音そのものの質の変化を含みます。つまり、デクレッシェンドが「音量が小さくなる」ということを指すのに対し、ディミヌエンドは「音が薄くなる」という感覚です。両者は演奏の中で組み合わせて使われることも多く、音楽に深い表現を持たせるのに必要不可欠な要素です。特に、楽曲においては、クレッシェンドからデクレッシェンドへと移行することで、ドラマチックな効果を生み出すことが可能になります。これらの違いをしっかりと理解し、演奏に活かすことが大切です。

今回は、生徒さんからよく質問があり、頻繫に楽譜に出てくる似たような意味を持つ楽語についてお話しました♪

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ピアノを中畠由美子、中島昌子、北川正、矢野裕子、楊麗貞の各氏に師事し、ソルフェージュを鈴木しのぶ、上田真樹の各氏に師事。
桐朋学園大学音楽学部ピアノ専攻卒業後、子供から大人まで幅広く指導を行うピアニスト

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