アーティキュレーションとは?演奏を豊かにする記号の意味と練習法

アーティキュレーションとはどのような意味か?

アーティキュレーションという言葉を聞いたことはありますか?アーティキュレーションは、音符の演奏方法を具体的に指示することです。スタッカート(音符の上に点がついている記号)やスラー(音符を滑らかにつなげて演奏する記号)、テヌート(音の長さをしっかり保って演奏する記号)など、楽譜上に記された記号で表現されます。それぞれの記号が音の長さやタッチを表し、演奏のニュアンスを変えます。簡単に言うと、スタッカートは音を短く切る感じで、スラーは滑らかに弾くことを示しています。ピアノを演奏する上でアーティキュレーションを理解することはとても大切です。音楽を表情豊かにするための鍵でもあります。

アーティキュレーションを正しく弾くことの重要性

ピアノを弾くときに、アーティキュレーションを無視してしまうと、音楽が平坦になってしまうことはよくあります。アーティキュレーションは、演奏する人がどのように音楽を感じ、それをどのように聴いてくださる方に伝えたいかを示すものになります。スタッカートをうまく活かせば、音楽に躍動感を与えることができますし、スラーで音を滑らかにつなげることで、音楽に流れを生み出せます。ですが、スタッカートは切って弾けば良い、スラーはつなげれば良い、ということではありません。微妙なニュアンスはレッスンでお伝えできたらと思います。

アーティキュレーションを用いた曲の解釈の仕方

楽譜を前にして、どのように弾けばよいのか迷うこともあるでしょう。と悩むことが多いと思います。このようなときは、アーティキュレーションをよく見ることがとても大切です。まず、楽譜に記されたスタッカートやスラー、テヌートなどの記号をしっかり確認します。それぞれの記号が音やフレーズの感じをどう変化させるか、自分の中でイメージします。次に、それを実際のピアノで試してみることが大切です。

アーティキュレーションの実際の表現例を挙げる

アーティキュレーションによってピアノ演奏がどのように変わるか、具体的な例を挙げてみます。例えば、バッハの曲では、フレーズの切れ目や軽やかな表現が求められるため、スタッカートのようなタッチが求められることがあります。これは、その曲の中に生き生きとした律動感を生み出すためです。この場合、スタッカートを短く、はっきりと弾くことで、曲に疾走感と活力をもたらすことができます。また、ショパンのノクターン等ではスラーが多用され、メロディーがしっとりと流れるようにつながれています。

アーティキュレーションの学び方とその活用法

アーティキュレーションは、先生の指導を通じて学ぶことが大切です。ピアノのレッスンでは、先生の見本をよく観察し、その見本を耳で覚え、絶妙なニュアンスを感じ取り、その場で試してみるのが良いと思います。そして、自主練習においては、録音を活用して音色やリズムがどのように表現されているか客観的に確認するとさらに効果的です。アーティキュレーションを意識し、演奏することで音楽表現の幅が広がります。

初心者の方向けのアーティキュレーション練習方法まとめ

初心者の方がアーティキュレーションをしっかりと身につけるために、まずは基礎からスタートするのが一番です。初めに、スタッカートとスラーのような基本的な記号について、先生から説明を聞いてしっかり把握することが大切です。その後、易しいメロディーを片手ずつでアーティキュレーションを正確に守りながらゆっくり練習します。例えば、ドレミファソをスタッカートで一音ずつ短く跳ねるように弾いてみる。その後にスラーでつないで滑らかに弾いてみるなど、タッチの違いを意識してみましょう。アーティキュレーションの違いがどのように音の響きを変えるかを体感し、耳でその違いをしっかりと認識することが大切です。初めのうちは、無理せずにゆっくりと繰り返し練習し、自分のペースで習得していくと良いです。

中級者の方向けのアーティキュレーション練習方法まとめ

中級者の方にとって、アーティキュレーションの練習は、より高度な音楽表現の鍵となります。ここでは、少し難度の高い練習方法をご紹介します。まず、バロック音楽など複雑なアーティキュレーションが多い曲を選びます。選曲は先生にお任せした方が良いです。たとえば、バッハの作品はアーティキュレーションの練習に最適です。楽譜を見て、全てのスタッカートやスラー、テヌートを明確にします。楽譜に色分けして視覚的に整理すると効果的です。中級者以上の方はアーティキュレーションの違いを意識し、自分の音楽表現を深めていくことが求められます。

上級者の方向けのアーティキュレーション練習方法まとめ

上級者になると、これまで学んできたスタッカートやスラーのテクニックをさらに強化しつつ、独自の音楽的解釈を磨いていきます。異なる時代の作品に挑戦してみましょう。選曲は先生にお任せした方が良いです。バロック時代、古典派、ロマン派、現代音楽まで色々なジャンルにおいて、アーティキュレーションの幅を広げたいです。その中で、特にスラーやスタッカートを意識して、細やかなニュアンスの駆け引きを練習すると効果的です。複数の楽曲を同時進行で練習し、音楽の表情を自由自在に変えることで、それぞれの時代や作曲家に合ったアーティキュレーションで弾けるようになります。また、自分の演奏を録音し、何度も見直すことが大切です。ピアニストや先生の演奏を参考にすることも一つの方法です。

アーティキュレーション練習の効果的なまとめ

アーティキュレーションの練習を効果的に進めるためには、計画的で継続的な取り組みが重要です。何より大切なのは、まず楽譜の記号を正確に理解することです。スタッカートやスラーといった基本的な記号の意味をしっかり掴み、それをどのように表現するかを考えることが大切です。次に、色々な楽曲を通じて実際に演奏してみることで、耳で確かめます。特に、録音をして自分の演奏を聴き直し、音の変化や違いを確認することで、より具体的な改善点を見つけることができます。さらに、先生のレッスンを受け、アドバイスをもらうことが大切です。より優れたテクニックを習得することができるかと思います。そして、繰り返し何度も練習することで、身に付けた技術をしっかりと身体に染み込ませることができます。

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ピアノを中畠由美子、中島昌子、北川正、矢野裕子、楊麗貞の各氏に師事し、ソルフェージュを鈴木しのぶ、上田真樹の各氏に師事。
桐朋学園大学音楽学部ピアノ専攻卒業後、子供から大人まで幅広く指導を行うピアニスト

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